製作技術

 
Marco Cargnelutti Liutaio - Violin Maker holding the Stradivari Toscano 1690 scroll
 

クレモナの伝統

 

クレモナで学ぶことは、現代でも最高の弦楽器製作の技法である「クレモナ流」を身につけることです。

高品質な楽器を作るための様々な制作手順が、伝統を尊重しつつ、また少しの道具の改良なども取り入れつつ、若い世代に受け継がれています。

私が作る全ての楽器は、17・18世紀の素晴らしい製作家を参考にし、最初から最後まで完全に手作りです。その時代以降に書かれた楽曲の大部分は当時の楽器を念頭におき作曲された訳ですから、私の責務はこれらの作品に出来得る限り最高の音を与えることにあります。

 

より良くするには?

伝統を尊重するということはしかし、進歩を否定するということではありません。例えば、裏板に小さな跡を残す場所決めのピン。これを使わないことで、表板と側板を揃え直すのに時間はかかりますが、より美しく仕上がります!

この写真のように、パフリングを切れ目なく入れることも可能です。より時間はかかりますしリスクも大きいですが、切れ目がないパフリングの方が美しいでしょう!

私たちは幸運にも、当時より高品質な道具に恵まれており、表板や裏板へのやすりがけも、目的に合った設計の現在のやすりを用いると簡単です。

Applying violin purfling seamlessly
Staining violin ribs with colored linseed oil
 

新しいニス塗りの方法?

 

昔の巨匠が当時どのような方法を用いていたのか正確に知ることはできないので、考える価値のある質問です。

この10年間、私は木材とニスの理想の関係について無数の実験を行ってきました。そしてある日、「なぜ接着前の側板に下地を塗ってはいけないのか?」と思いついたのです。

これにより、側板の木材に膠が入り込んでニスの均一な定着を邪魔することがなくなります。小さな革新ですが、あとでニスの修正をしていた時間を大きく節約できるようになりました。

 

新しい型の内部ブロック

 

この特徴的な型は、楽器の箱の中に角ばった部分が無い方が音の反射が邪魔されないのではないか、というアイディアから生まれました。

これにより内部での反響が豊かになり、伝統的な型のブロックでは失われていた音量のロスが無くなります。

この型を使った楽器を何本も作ってきましたが、その違いは明白です!

Marco Cargnelutti's rib garland design
Marco Cargnelutti Liutaio - Violin Maker listening to tap tones
 

音色の探求

 

物理現象として、小さい質量を動かすためには少ない力で十分です。また私の経験によると、より良い音響の増幅を得るために、表板と裏板は特定の周波数の関係で調律されていなければなりません。

理想的な関係は、楽音同士の、ある音程にあるようです。そこで、板を少し叩いてその楽音が明確に良い響きで鳴るところで板を削るのを止めれば良いと分かるのです。

様々な要素、例えば重さ、振動の周波数、音色の質や板の厚さなどの間で最良のバランスを見つけるのが目標となります。板が薄すぎると最初は良く鳴りますが、時間が経つと当初の勢いを失い、音色の質を失ってしまうでしょう。